北杜の旅第二弾は滝とか公園ではなく、農業用水路の紹介になります。これまでの滝とか公園ではなくて、急になんでそんなものを思った人もいるかと笑
いつものようにGoogleMapで北杜市の滝や公園を偵察、もとい調査していたらイイ感じの水路を見つけ、「これは現地に行って確認してみないと!」と思ったのがことの始まりでした。その読みは間違っていなかったのでちょっと紹介させてください。
村上六ヶ村堰疏水(むらやまろっかむらせぎそすい)は『堰』や『疏水』と聞き慣れない名前が並んでいたので、親水公園の類かなと想像していました。ところが公園のような娯楽のためにあるものでなく、古来より北杜の生活になくてはならないものでした。
と言うのも村上六ヶ村堰疏水は取水工、隧道(ずいどう)、水路、水門なんかで構成された農業用水路システムの総称を表していて、西暦900年〜1000年も昔に農業用水と生活用水のために開削されたとのことです。面白いのはその水源の一つは先に紹介した「吐竜の滝」で、こういうところででつながりがあるのは少し驚きました。
北杜は地形的には平坦な盆地ではなく山からの傾斜地になっているので、釜無川から水を引っ張ってくることもできない。かといって街の中に大きな河川が流れているわけでもない。降水量も年間平均が全国のそれを下回っている。
こうしてみると北杜はそんなに水に困ってるようには思えなかったが、こういった施設が必要だったのだと納得。
村上六ヶ村堰疏水を構成している施設の地図が公園の案内看板に載っていました。上流は吐竜の滝の記事で紹介した川俣川から始まっています
ちょっと気になったのがこの地図の『①千条の滝と吐竜の滝』にある「千条の滝」という単語。
旅行に行く前に調べたがそんな滝は出てこなかったので改めて調べたところ、「美し森」の中にあるそうです。(いずれ現地に行ってみたいと思います)
あと村上六ヶ村堰疏水は農林水産省より「全国の疏水百選」なるものに認定されているそうです。この疎水百選ってはじめて知りましたが、結果としてここ以外もイイ感じの行きたいリストが増えてしまった。。。
ちなみに「疎水(そすい)」という言葉は『潅漑や舟運のために、新たに土地を切り開いて水路を設け、通水させること』という意味らしい。(「全国土地改良事業団体連合会」のHPで見るまで聞いたことがない言葉でしたね。。。)
さて、ここまで長々と説明となり申し訳ありませんがようやく本題です。
今回訪れたのは村上六ヶ村堰疏水を構成している一つ「川子石分水所」です。(インターネットには「川子石公園」としている資料も散見してます https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/fs/1/0/7/3/8/_/rokkamura_siryou2.pdf)
駐車場までのアクセス
川子石分水所に駐車場はありません。道路脇に1、2台ほど停車できそなうスペースがあるのでそれを使うしかないです。またトイレはありませんので注意してください。
川子石分水所の様子
分水された水が勢いよく流れていました。せせらぎというには少し音が大きい気がしますが、流れる水に心が癒されました。また水との距離が近いのでひんやりとして冷気を真近で感じることででき、気持ちが良かったです。
石橋が設置されているので対岸に渡ることができます。ただ整備がされてるわけではないので対岸の土壌はぬかるんでいて、何度か足元をすくわれそうになりました。ヒールやサンダルだと足を取られ、泥が靴の中に入ってくるのでスニーカーがいいかと思います。
上の構成地図を見るに、ここは川俣川東沢から来た水を下流の広い地域に分配する役割を持っているようです。
右の建屋の中で分水しているかんじです。建屋の下から轟轟と勢いよく水が流れ出ていて、意外に迫力がありました。
苔むした岩と水との距離が近いのはやはりいい。。。文章に起こしてみて自覚しましたが、こうやって緑と水の境がハッキリしているのが大好きです。
村上六ヶ村堰疏水の川子石分水所は水との距離が近くて、ひんやりとして冷気が漂う心地の良い場所でした。都会での喧噪に疲れてきっているzunにとっては心が休まりました。。。一般的な公園とは違うのであれこれ注文できるものではありませんが、ベンチや東屋、トイレがあると完璧になるかと思います。
北杜は水の豊かな街だとばかりと思っていましたが、それは先人の苦労があってこそのものでした。機会があれば他の取水口や水路も行ってみたいと思います。
それではまた!
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